
サプライチェーン
秋葉淳一のトークセッション 第3回 オープンマインドが柔軟な物流をつくり出す株式會(huì)社フレームワークス 代表取締役社長 秋葉淳一 × セイノーホールディングス株式會(huì)社 執(zhí)行役員 河合秀治
公開日:2022/01/21
対話を重ね、ひとつずつ課題を解決していく
秋葉:今回の小菅村での取り組みを始めた頃に、エアロネクストさんと河合さんと私で話をしました。そのとき、災(zāi)害時(shí)、トラックヘッドからドローンを飛ばして、災(zāi)害狀況を撮影するという話がありましたよね。あれはどうなりましたか。
河合:今でも検討しています。これまでで學(xué)んだのは、今日も機(jī)體を二つ見ていただきましたが、ドローンの機(jī)體の機(jī)能はさまざまだということです。われわれが開発しているような、ものを運(yùn)ぶための物流専用機(jī)は、重心をいかに真ん中にして効率よく飛べるかを考えています。一方、災(zāi)害対応のドローンは、汎用機(jī)のドローンで十分です。飛び立つところだけ準(zhǔn)備できていれば、普通に活用できてしまいます。ただ、トラックのウイングが開いて、物流専用機(jī)が一気に飛んでいったらかっこいいですよね。先々できるようになると思いますが、それには、50機(jī)、100機(jī)を同時(shí)にオペレーションできる狀態(tài)に持っていく必要があります。
秋葉:そうなると、またいろいろな法規(guī)制の問題がありそうです。
河合:現(xiàn)狀の法律では難しいことがたくさんあります。しかし、現(xiàn)狀の法規(guī)制に対してできないことばかりを言うのではなく、規(guī)制をつくっている方たちと一緒に対話をすることが大切です。実は、內(nèi)閣府や國土交通省、経済産業(yè)省の方々にも小菅村に來ていただきました。こういうときに何を直せばいいのか、どのような改善策がふさわしいのか、自由にディスカッションできるようになってきていると感じていますし、今までとは全然違う考え方になってきていると思います。ただ、発展している國であるだけに、一定のルールは必要です。それを守りたい人も守らせたい人もいるので、ディスラプト(これまでのルールを一変させるような動(dòng)き、再編)の仕方をうまく考えなければなりません。諸外國のように何でもかんでも壊せばいいかというと、日本的には違うような気がします。
秋葉:そもそも、規(guī)制は何かを邪魔するためにあるわけではありません。例えば、安全、品質(zhì)といったものを擔(dān)保するためにつくられたルールなわけです。そうはいっても、一方で技術(shù)が進(jìn)化し、人々の生活の仕方も変わってきた中で、前に決めたルールがそのままでいいのかという議論は必要です。
河合:物流も倉庫もそうですが、もともと決めたルールが古いのです。現(xiàn)代に合っていないことを分かっていながらもそのまま踏襲してしまっているので、少しずつ変えていくべきなのでしょうね。
秋葉:大和ハウス工業(yè)の建築事業(yè)本部の中に、物流DX推進(jìn)室という組織を2021年7月1日付でつくったのですが、今日はそのメンバーも連れてきました。その中に女性が2人いるのですが、2人とも自ら手を挙げてくれました。
河合:いいですね。ダイバーシティとはいっても、今まで物流は圧倒的に男社會(huì)でした。セイノーHDでも、ドライバーは95%が男性です。そうなると、やはり今の世の中に合わない発想や考え方になってしまうことがあります。実は、先ほど、うちのスタッフとも話していたんです。「あのチームって2人も女性がいるの?」と。女性が2人いることですごく柔軟に物事を考えることができますよね。
私のラストワンマイルのチームも、今、20人中2人が女性です。ところが、荷物を受け取るほうは當(dāng)然ながら半分以上が女性です。そう考えると、半分くらい女性のいるチームにするのが自然です。本人たちが受け取り者なので、やはりラストワンマイルに対する考え方も全然違うわけです。
これは女性に限った話ではなく、年齢やライフスタイルによっても異なります。ものを?qū)盲堡毪长趣坤堡蚩激à欷小ⅰ竸柯实膜怂亭贽zんで配達(dá)を終わらせればいい」という考えになるのですが、別の立場に立てば、また違う意見がたくさんあるのではないかと思います。2時(shí)間の配送枠の時(shí)間設(shè)定も、ある視點(diǎn)から見れば、長すぎるでしょうし、屆ける側(cè)からすると、24時(shí)間のうちの2時(shí)間で屆けるのは、相當(dāng)時(shí)間に縛られて大変だという感覚になるのだと思います。
ある若手のビジネスパーソンの方は、土日は不在屆が入っていた宅配便を受け取る日で、ずっと待っていなければならないから大変だと言っていました。
また、宅配ボックスの數(shù)が足りないと怒られることもあります。1人が取り出さずに3つも4つもためてしまい、いつまでたっても出さないと、數(shù)が足りなくなってしまうのです。それで今、スマートロックの會(huì)社とその辺りの対策を考えたりしています。
ラストワンマイルには、働き手と不在という二つの課題がありますが、そういった課題が徐々に浸透し、世の中全體の動(dòng)きとして改善していくといいですね。オートロックも、運(yùn)送業(yè)者が「ひらけごま」で開けることができれば、玄関前まで行って置くことができます。いつ行っても「ひらけごま」で開いてしまったら非常に危険ですが、ワンタイムのみのカギがあればいいですよね。セイノーの河合が來たら5分だけカギが開くということができれれば、全く問題ないでしょう。
秋葉:共用部分は防犯カメラを設(shè)置して、セキュリティ対策をしていますしね。
河合:消防法の解釈について、今までは廊下にものを置けないと考えられていたものが、宅配便の一時(shí)置きは法的問題とならないと見解が述べられたのも大きいですね。そうなると、人がやらなくてもAGV(無人配送車)でやったらいいのではないかなど、一気に改善策が進(jìn)展していきます。そういったことを積み上げていくしかありません。私たちはよく「いろいろなことをやっているね」と言われるのですが、それは褒め言葉だと思っています。おかげさまで、物流で何か問題があると、いろいろな方から連絡(luò)をいただけるようにもなってきました。この課題を1個(gè)1個(gè)潰していくと、ビジネスのネタになるケースもあります。今までは諦めるか他社にいくかでした。とはいえ、全部が全部當(dāng)社ではなくて、同業(yè)他社さんを紹介することもあります。自分たちだけでできることは限られていますから。
秋葉:それも含めて、新しい市場を創(chuàng)ることも私たちの活動(dòng)です。
河合:新たに何かをやるのではなく、単純に今まであったものを組み合わせるだけです。シームレスに情報(bào)をつなげて、普通に荷物を?qū)盲堡椁欷毪瑜Δ摔工毪坤薄%抓飑`ヤーがそれぞれ、長距離と中距離とラストワンマイルで違うだけで、ただ荷物のやり取りをきちんとできるようにすればいいのです。それだけで変わります。
物流の幅を広げ、サプライチェーンを効率化する
秋葉:私たちから見れば物流領(lǐng)域の作業(yè)でも、物流に関わらない人たちが、作業(yè)の一つとして物流業(yè)務(wù)を行っているケースもあります。そこにも非効率なことがあって、物流の作業(yè)はまとめて行ったほうが効率的です。物流領(lǐng)域だと思われていないことも、私たちが知らしめていく、知ってもらう努力をしなければならないと思っています。
河合:大和ハウスグループもそうだと思いますが、メーカーさんがもともとやっている組み立て、清掃、チェックといった作業(yè)を物流でも請け負(fù)うようになってきました。かつて、「物流の會(huì)社にそんなことをやらせたら、文句は言うし、まともにやるかわからない」と言われたこともありましたが、今は任せたほうが効率的だという聲も聞きます。2019年にレタス工場をつくった頃から、ビジネスに対する考え方が変わってきました。たまたまレタスは上流工程のつくるところからいきやすかったこともあり、私はよく製造物流だと言ってきました。全部製造する必要はないと思いますが、ビジネス領(lǐng)域の境目を今までより幅広にずらす、多少無理してでもずらしていくと、誰かの効率化につながるはずで、サプライチェーン全體としても間違いなく効率化されます。私たちの話の仕方、実事例が足りないのだと思いますが、そんなことを言ってもできないのではないかとか、斷られるのではないかとか、べらぼうに高い値段を言われるのではないかとか、そういった勘違いもあります。物流業(yè)界側(cè)のマインドとして、そこまでオープンに受け取れる人が少ないということもあります。ですから、業(yè)界內(nèi)をもっとオープンマインドにさせなければいけないし、荷主さん側(cè)ももっと幅広く、いろいろな要望を言ってくれると、意外と実現(xiàn)できることがあると思います。
秋葉:小菅村のバスとトラックの話がそうだったように、違う業(yè)界の方に話をしてみたら解決することもたくさんあるかもしれませんね。
河合:物流は、今まで受け身が癖になってしまっているところがありました。要件定義をして、それに合わせた物流設(shè)計(jì)をおいくらで提案します、というのもいいのですが、もう少しアレンジして提案できるようになると柔軟な物流が出てくる気がします。
秋葉:これからが非常に楽しみです。
河合:どんどんチャレンジしていきます。コロナ禍前は、業(yè)界の仲間を居酒屋に呼んで、こういう話をよくしていました。私はキーマンと情報(bào)共有をするのが重要だと思っています。ああでもない、こうでもないと皆にプロセスを話しながら、自分のところのソリューションで乗れる人は乗ってくれればいい、という場づくりをやってきました。でも、今はそれがやりづらくなっていて、オンラインでやるしかないのですが、こういうことをオープンに話せる場をつくれたらいいですよね。それは秋葉さんのお仕事だと、私は思っています。私たちの年代からすると、秋葉さんは少しお兄さんで、若手が皆ついていっています。集めて野に放つような、鵜匠が鵜を離して、良い鮎を持って帰ってくるかどうか見てもらう役目をしてほしいですね(笑)。
そういう方があまりいないのです。トラックはトラックで強(qiáng)い方がいて、倉庫は倉庫、システム関連など、それぞれの専門家はいるのですが、全體を仲良くさせるような方がいません。秋葉さんが「考えるぞ」と言えば皆が集まってきます。業(yè)界のバージョンアップのためにはそういったことをやらなければいけないと思いますし、物流に興味を持つ若い子たちを増やしていくためにも情報(bào)発信をしなければなりません。先ほど見ていただいたドローンのフライトも、高校生くらいの人たちも見ていました。そういうことでもフックしている可能性があります。40~50人見ていたうちの1人でもドローンに興味を持って、その方向に進(jìn)んできてくれたら嬉しいですよね。
秋葉:優(yōu)秀な若い人は本當(dāng)にたくさんいますし、水たまりをつくっている人もたくさんいます。私もそうした水たまりを大事にしながら、少しずつでも、影響を與えられる範(fàn)囲を広げていけたらいいですね。
河合さんには、これからのイノベーションにつながる水たまり100個(gè)を一つずつ見せていただきたいところですが、大きくなる水たまりもあれば、乾いてしまう水たまりもあると思います。水たまりを殘しておく判斷基準(zhǔn)は河合さんの中にありますか。
河合:やはり、まずは一人の要望に応えられているか、喜んでもらっているかが重要です。株式會(huì)社でやっている以上、當(dāng)然、利益が出る出ないの話はあるのですが、たった一人であっても、「これがないと私たちは生活ができない」と言われれば、無理をしてでも殘さなければならないと思います。
秋葉:どうすればその事業(yè)自體をやれるかですね。
河合:そこでは、私たちが必ずしもプレーヤーである必要はないと思います。先々、都會(huì)から連れてきた人を同じ給料で働かせようとしても、合わない可能性があります。すべてを自分たちがプレーヤーとしてやるのではなく、ノウハウをためて、きちんと殘していけるようなものになっていけばいいような気がします。それが利益につながれば最高ですけどね。
秋葉:結(jié)局そこが大事ですよね。新しいことをやったとき、すべてがマネタイズできるとは限りません。
河合:どこまでマネタイズできるかは重要なことではあります。次の再投資のためでもあり、継続性の擔(dān)保という面もあります。
秋葉:マネタイズできないという結(jié)論が出たとしても、そこまでの過程で経験したこと、そこで広がった仲間の輪は消えません。それは會(huì)社としてもそうですし、若い人たち個(gè)人もそうです。続けることによってたくさんの輪が出來上がること自體が、すごく価値のあることです。
河合:確かにそうです。秋葉さんには業(yè)界のお兄さん、棟梁として、いろいろな技術(shù)者を引っ張って、談義させて、考えるように諭す役割を擔(dān)っていただきたいですね。そういう方はいるようでいないので、ぜひお願(yuàn)いします。
秋葉:河合さんとはお互いに、お願(yuàn)いして學(xué)校で話をしてもらったりしています。少しずつ皆に河合さんの新たな取り組みを知ってもらいたいですね。河合さんのラストワンマイルチームと物流DX推進(jìn)室とで何かできたら面白いと思います。組織をつくった意味を考えていかなければなりません。
河合:象徴的なものにうまく使っていただけるとありがたいです。私は仲間集めだと思っています。スタンドをつくって、ドローンを飛ばして、荷物を運(yùn)ぶということは、1社ではなかなかできません。餅は餅屋です。皆で力を合わせてやることが重要なのだと思います。
トークセッション ゲスト:學(xué)習(xí)院大學(xué) 経済學(xué)部経営學(xué)科教授 河合亜矢子
- 第1回 物流を知り、理解することから始まる
- 第2回 テクノロジーでネットワーク化し、全體最適を図る時(shí)代
- 第3回 現(xiàn)在の學(xué)生が業(yè)界の中心となる30年後、企業(yè)はどうあるべきかを考えたい
トークセッション ゲスト:セイノーホールディングス株式會(huì)社 執(zhí)行役員 河合秀治
トークセッション ゲスト:SBロジスティクス株式會(huì)社 COO 安高真之
トークセッション ゲスト:大和ハウス工業(yè)株式會(huì)社 取締役常務(wù)執(zhí)行役員 建築事業(yè)本部長 浦川竜哉
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社Hacobu 代表取締役CEO 佐々木太郎
トークセッション ゲスト:明治大學(xué) グローバル?ビジネス研究科教授 博士 橋本雅隆
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社 日立物流 執(zhí)行役専務(wù) 佐藤清輝
- 第1回 LOGISTEEDで物流の新領(lǐng)域へ
- 第2回 LOGISTEEDの「デジタルプラットフォーム」で次世代ロジスティクスへ
- 第3回 LOGISTEEDのSSCV技術(shù)が物流の世界を拡げていく
トークセッション ゲスト:流通経済大學(xué) 流通情報(bào)學(xué)部 教授 矢野裕児
- 第1回 モビリティを再編し、物流起點(diǎn)のイノベーションを起こす
- 第2回 「その場対応のロジスティクス」から「先を読んだロジスティクス」の世界へ
- 第3回 物流ネットワークの在り方が変われば物流が変わる
トークセッション ゲスト:アスクル株式會(huì)社 CEO補(bǔ)佐室 兼 ECR本部 サービス開発 執(zhí)行役員 ロジスティクスフェロー池田和幸
トークセッション ゲスト:MUJIN CEO 兼 共同創(chuàng)業(yè)者 滝野 一征
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社ABEJA 代表取締役社長CEO 岡田陽介
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社ローランド?ベルガー プリンシパル 小野塚 征志
トークセッション ゲスト:株式會(huì)社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
スペシャルトーク ゲスト:株式會(huì)社ママスクエア代表取締役 藤代 聡
スペシャルトーク ゲスト:株式會(huì)社エアークローゼット代表取締役社長兼CEO 天沼 聰
- 第1回 お互いのビジネスが「シェアリング」というコンセプトで結(jié)びついた
- 第2回 まずは見ていただいて、シェアリングの世界を感じていただきたい
- 第3回 シェアリング物流のコアで、かつ本質(zhì)的なところは、進(jìn)化すること
秋葉淳一のロジスティックコラム
トークセッション:「お客様のビジネスを成功させるロジスティクスプラットフォーム」
ゲスト:株式會(huì)社アッカ?インターナショナル代表取締役社長 加藤 大和
トークセッション:「物流イノベーション、今がそのとき」
ゲスト:株式會(huì)社Hacobu 代表取締役 佐々木 太郎氏
「CREはサプライチェーンだ!」シリーズ
- Vol.1 究極の顧客指向で「在庫」と「物流資産」を強(qiáng)みとする「トラスコ中山」
- Vol.2 「グローバルサプライチェーン」で食を支える日本水産
- Vol.3 「當(dāng)たり前を地道にコツコツ」実現(xiàn)したヨドバシカメラのロジスティクスシステム
- Vol.4 「新たなインテリア雑貨産業(yè)」を構(gòu)築したニトリホールディングス
- Vol.5 物流不動(dòng)産の価値を上げる「人工知能」が資産価値を上げる
- Vol.6「ロボット」が資産価値を上げる
- Vol.7「人財(cái)」が資産価値を上げる
- Vol.8「ビッグデータ」が資産価値を上げる
- Vol.9 AI、IoTがCRE戦略にもたらすこと
「物流は経営だ」シリーズ
土地活用ラボ for Biz アナリスト

秋葉 淳一(あきば じゅんいち)
株式會(huì)社フレームワークス會(huì)長。1987年4月大手鉄鋼メーカー系のゼネコンに入社。制御用コンピュータ開発と生産管理システムの構(gòu)築に攜わる。
その後、多くの企業(yè)のサプライチェーンマネジメントシステム(SCM)の構(gòu)築とそれに伴うビジネスプロセス?リエンジニアリング(BPR)のコンサルティングに従事。
2005年8月株式會(huì)社フレームワークスに入社、SCM?ロジスティクスコンサルタントとしてロジスティクスの構(gòu)築や改革、および倉庫管理システム(WMS)の導(dǎo)入をサポートしている。
単に言葉の定義ではない、企業(yè)に応じたオムニチャネルを?qū)g現(xiàn)するために奔走中。