CRE戦略
2025.3.28
現在、日本國內では、高齢者人口が増加し続けています。高齢者人口の増加によって、高齢者向け住宅や介護施設の需要も増加する一途となり、不動産においてもヘルスケア施設に関するニーズが高まっています。
法人保有の不動産活用分野、いわゆるCRE戦略においても、高齢者向け施設に代表されるヘルスケア市場への関心が高まり、今後も増加すると考えられます。國?行政等による後押しもあり、これからのCRE戦略は、超高齢社會の問題を避けては考えられず、ますます結びつきが強まりそうです。
総務省統計局のデータによれば、我が國の総人口(2024年9月15日現在推計)は、前年に比べ59萬人減少している一方、65歳以上人口は、3625萬人と、前年(3623萬人)に比べ2萬人増加。総人口に占める割合は29.3%と、前年(29.1%)に比べ0.2ポイント上昇。人數、割合とも過去最高となりました。年齢階級別に見ると、70歳以上人口は2898萬人(総人口の23.4%)、75歳以上人口は2076萬人(同16.8%)、80歳以上人口は1290萬人(同10.4%)となっています。
65歳以上人口および割合の推移(1950年~2045年)
高齢者人口の増加に伴い、高齢者向け施設が増加しています。厚生労働省の資料によれば、「有料老人ホーム(介護付き、住宅型)」や「サービス付き高齢者住宅」が他の施設に比べて大きく増加しています。
公益財団法人 生命保険文化センターの公表データによれば、年代別の人口に占める要介護認定者の割合は、65~69歳では2.9%にとどまっていますが、80~84歳では26.0%、85歳以上では59.5%となっており、加齢とともに、要介護認定の高齢者が増加しています。今後の高齢者人口の増加を考えれば、高齢者向け施設がさらに必要となりそうです。
また、少子高齢化の進行によって、1世帯あたりの人數減少や単身者の増加といった屬性の変化とともに、すでに住居ニーズにも変化が現れており、今後も加速するでしょう。高齢者向け施設のニーズが高まり、ファミリー向け住居のニーズも減少すると予測できます。
CRE戦略の一環としてヘルスケア施設を運営する場合のメリットはどのような點でしょうか。
まず、少子高齢化は社會課題であり、高齢者向け施設を提供することは、イコール社會貢獻につながる活動になると考えられます。高齢者向け住宅や介護施設が十分ではない地域に新たに建設することができれば、地域の方々の暮らしを支えることになるわけです。
また、一般的な賃貸住宅と比較して、立地條件面での制約を受けにくいことが挙げられます。賃貸住宅や分譲マンションの場合、駅からのアクセスや買い物の利便性などが求められることが多くなりますが、介護施設などは、むしろ、郊外や靜かな場所が求められる場合もあります。
介護施設は、店舗など事業系の土地活用ができない第一種低層住居専用地域でも建築可能です。さらに、原則として開発できない市街化調整區域でも、建築の許可が下りる場合もあります。
実際の運営?管理においても、基本的に施設の運用は介護関連の事業者が行うため、オーナーとしては、ほとんど手間はかかりません。逆に、事業者とのパートナーシップが必要となります。
さらに、自治體によって種類や條件、対象は異なりますが、補助金が活用できる場合もあります。ただし、各種規制もありますので、建設を検討している地域があれば、該當する自治體について調べておく必要があります。
不動産からの賃貸収入や売買益を投資家に分配する投資信託である、J-REITにおいても、ヘルスケア関連の施設への投資は増加しています。
2024年3月末時點の J-REIT 市場におけるヘルスケア不動産の取得額累計は353.1億円、物件數累計は198物件(出典:一般社団法人 不動産証券化協會 ARES J-REIT Databook:2024年3月)となり、新型コロナウイルス感染拡大が起きた2020年に大きく増加しました。商業施設やホテルなど、緊急事態宣言や外出自粛等による影響を大きく受ける中、ヘルスケア不動産への注目が集まったかたちになりました。とはいえ、J-REIT全體ではまだ1.5%に過ぎず、これからの成長に期待がかかります。
J-REIT保有物件の用途別比率 (2024年10月末時點。合計23.4兆円)
超高齢社會の中、社會問題の解決策のひとつとして、高齢者向け住宅や施設の需要はますます増加すると思われます。CRE戦略として、ESGの観點から見ても、意義のある取り組みだといえるでしょう。
ただし、高齢化対策は、地域による違いもあり、國の制度や稅の問題も関わってくるため、注意しながら、慎重に取り組む必要があるでしょう。
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