CRE戦略
2025.3.28
事業承継を行うということは、先代の経営者から、次の経営者にさまざまな財産を引き継ぐことですが、その財産には、社員などの「人」、現金、自社株、不動産、そして債務などの「資産」、事業のノウハウ、技術などの「知的財産」の大きく分けて3つの資産があります。
ここで注目するのは、企業が持つ「資産」に屬する「不動産」です。企業によっては、自社ビルや駐車場、福利厚生施設などの不動産資産を持つことも少なくありませんので、不動産を保有する企業において、事業承継の際の注意點について紹介します。
事業承継では、企業が持つ事業に関する資産を承継しますが、資産の中に不動産が含まれる場合は、その不動産の狀況、活用方法によって、事業承継を効果的に行うことができる可能性があります。
したがって事業承継を行う際に、不動産活用について効果的な対策を行うことができれば、事業そのものへの好影響に加えて、事業承継の際の費用や稅務などの軽減、そして、スムーズな事業承継につながる可能性があります。
まず考えたいのは、現在保有している土地の中で、未利用?未活用の不動産があるのであれば、有効な利活用を検討することです。放置されていたり、長期間何も活用されていなかったり、あるいは利用予定もない土地は、更地と同じような評価となり、會社の評価額を決める際に高く評価されることになるため、毎年発生する固定資産稅も更地とほぼ同じ扱いです。
遊休地に、周辺ニーズに基づいた施設を建築し、運営することができれば、不動産賃貸業として収益を上げることに加えて、建築物を建てることで土地の評価額が下がり、承継時の評価額を抑えることにもつながります。
保有不動産の活用ではなく、新たに不動産を購入することで、事業承継の対策になることもあります。例えば、現金資産が多くある場合、不動産を購入することで、現金のままの狀態よりも自社株や保有財産の評価額が下がる(不動産を取得して3年以上経過している必要があります)ことがあります。
基本的に土地は路線価を基準に評価されますので、実勢価格よりも低い評価になることが多くなります。つまり、1億円の現金よりも、1億円で購入した土地のほうが、評価額が下がるということになります。
また、新たな不動産の購入によって、その不動産を活用した賃貸業や新事業を行うことができれば、新たな収益源が生まれることになり、後継者にとっても経営の幅が広がり、魅力ある會社になる可能性もあります。現金の保有資産が多い場合は、検討の価値がありそうです。
通常、企業が保有する不動産を売卻する場合、不動産の所有権を移転することになりますが、不動産を保有する企業を買収(不動産保有企業の株式をすべて取得)することで、買収した企業は、子會社となった企業の持つ不動産を所有することになります。つまり、買収した企業は、不動産を購入することなく、株を取得することで不動産を入手することになります。これを株式譲渡による不動産M&Aと呼びます。
株を売卻した経営者にとっても、一般的な不動産取引の場合、不動産売卻益に対する法人稅がかかるのに対して、不動産M&Aの場合は、取引はあくまで株式なので、株式の譲渡益に20%の稅金がかかるだけとなります。
不動産を活用した事業承継対策はメリットもありますが、注意點もあります。
不動産に限ったことではありませんが、人口減少、周辺企業や大型商業施設の移転、類似施設の出現など、周辺事情や環境、制度は絶えず変化します。想定以上の変化は起こり得ることですので、不動産を購入する場合には、十分な調査、専門家への相談など、事前準備をしっかり行うことが必要です。
購入した資産の価格が上昇することは、本來喜ばしいことですが、不動産の取得後3年以內に価格が急激に上昇した場合、上昇した分だけ評価額も上昇するため、相続対策のために不動産を購入したにもかかわらず、相続稅評価額が上昇し、相続稅の支払いが増えてしまうことも考えられます。
一方、事業承継対策の一環として不動産を購入し、事業承継後に不動産の売卻を検討している場合、事業承継の前後に不動産の価格が下落してしまうと、不動産の購入により得られる稅制等のメリットよりも、価格の下落による損失のほうが大きくなってしまうことがあります。
事業承継は多くの企業が抱える課題ですが、不動産の活用も事業承継対策のひとつになることもあります。しかし、不動産は重要な要素であるとはいえ、企業によって不動産の持つ役割にはさまざまなケースがあり、対策の手法や要件などもさまざまです。
企業にとって不動産がどのような形で事業承継に影響を及ぼすのかを十分に調査?検討し、なるべく早い段階から長期的な視點で対策を講じることが重要です。
その際には、事業承継や不動産に詳しい稅理士など、専門家に相談しながら、將來につながる事業承継を実現していただきたいと思います。
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