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2024年3月にリニューアルしました。
特集:未來(lái)をつくるって、つまりどういうこと?
2024.03.29
デンマークで生まれ育った日系二世の兄弟、井上聡さんと清史さんによって設(shè)立された、ソーシャルデザインスタジオThe Inoue Brothers...(ザ イノウエブラザーズ)。ふたりの名前が一躍知られるようになった商品があります。それがアルパカニット。アルパカの原毛の質(zhì)の高さにより生み出された手觸りが良く暖かいアイテムは、高く評(píng)価され日本でも百貨店やセレクトショップなどで手に取ることができます。
彼らが事業(yè)を立ち上げたのは、2004年。世の中でSDGsが提唱される前から、生産者や環(huán)境に負(fù)荷をかけない"エシカルファッション"を信條にプロジェクトを行ってきました。
20年前に、どのような未來(lái)をつくろうと動(dòng)き出したのか――。特集のテーマでもある「未來(lái)をつくるって、どういうこと?」を投げかけに、訪れたのは沖縄県読谷村。デンマーク、ボリビア、ペルー、パレスチナ…これまで世界各地で活動(dòng)をしてきた井上聡さんが、2022年に家族で移住を決めた地です。
ザ イノウエブラザーズは、ファッションの力で世界を変えるべく、さまざまなプロジェクトを手がけてきました。冒頭のボリビア?ペルーでのアルパカニットプロジェクトに始まり、東日本大震災(zāi)では、被害を受けた東北地方の中小企業(yè)や職人たちとパートナーシップを締結(jié)し、衣類を通した支援活動(dòng)「Tohoku Project」を立ち上げました。他にも、パレスチナ自治區(qū)の難民キャンプに暮らす女性たちによる手刺繍を衣類に展開(kāi)する「タトゥリーズプロジェクト」を、ドキュメンタリー映像と併せて公開(kāi)。現(xiàn)在は沖縄の「琉球藍(lán)染プロジェクト」まで、精力的な活動(dòng)を続けています。
©ROBERT LAWRENCE
彼らが手がける優(yōu)れた品質(zhì)のプロダクトの根底にあるのは、社會(huì)課題をデザインで解決する"ソーシャルデザイン"の考え方です。
井上聡さんと清史さんの兄弟は、デンマークのコペンハーゲンでガラス作家として活動(dòng)していた父と、航空會(huì)社で働きながら家庭を支える母のもとに生まれました。生まれも育ちも、國(guó)籍もデンマーク。先進(jìn)的でリベラルな教育を受け「誰(shuí)しもが平等であり自由だ」と教えられてきたにも関わらず、幼少期には差別や偏見(jiàn)を受けてきました。「幼い頃から、自分たちの立場(chǎng)やアイデンティティについて考え、差別に対して強(qiáng)い怒りを抱いてきました」。
彼らにとって、この"怒り"が活動(dòng)の源泉となりました。「『こんちくしょう』という"怒り"の感情に、社會(huì)から不公平な扱いを受けている人への"共感"が合わさり、なぜそれが起こっているのか? どうしたら解決できるのか? に転換してきました。ザ イノウエブラザーズは『何かをいいことをしたい』とか『何かを表現(xiàn)したい』という気持ちからではなく、今も昔も解決したい課題やニーズがあり、その解決方法としてプロダクトを作っているだけなんです」。
2022年、新たな活動(dòng)の場(chǎng)として選んだのは沖縄でした。「沖縄は、日本でありながら琉球獨(dú)自の文化もあり、ふたつのアイデンティティが共存してきました。僕たち兄弟の境遇と似ているところがあると感じましたし、その叡智を?qū)Wびたい、と。また、観光地として人気のある地ですが、実際に働いている人たち…特に女性に十分な利益の還元がされているとは言えませんし、経済的に困窮している人も多いことが、國(guó)內(nèi)でも問(wèn)題視されています」。
沖縄の地を訪れた井上さんは琉球藍(lán)染と出會(huì)い、Tシャツをはじめとしたプロダクトを手がけています。「藍(lán)染體験やお土産のハンカチはあるけれど、手間や時(shí)間に価格が見(jiàn)合っていないと感じます。沖縄の方々のアイデンティティを表現(xiàn)する文化や技術(shù)を大切に守りながら、僕たちらしく変えるべきところは変えていきたいですね」。現(xiàn)在、沖縄を起點(diǎn)にサーキュラーエコノミーの理念に基づいたゲストハウスも構(gòu)想中だといいます。
©MODAN
「自分の仕事が自分のためだけになっていないか」「苦しんでいる人たちの力になれているのか」。そうした思いから立ち上がった、ザ イノウエブラザーズ。20年前に目指した"未來(lái)"は、現(xiàn)実のものになっているのでしょうか。
「最近、周りに言われて20周年だと気がつきました(笑)。戦略を綿密に立てて活動(dòng)をスタートさせたわけでもないし、とにかくがむしゃらでした」。井上さんは、目の前の課題に向き合ってきたこれまでの歩みを「登山と似ている」と表現(xiàn)します。「足元を見(jiàn)ながら山を登っていると、ふだんの景色ってあまり変わらない。でも、ふとした瞬間に振り返ると景色が変わっているのがわかる。『こんなところまで登っていたんだ』って」。
「僕たちがアルパカプロジェクトを始めた頃、ペルーでは現(xiàn)地の人たちの貧困問(wèn)題以外に、後継者がいないことが大きな課題でした。アルパカの牧畜って、地味な仕事で決して格好いいとは言えないんです。一日中、野原に座りっぱなしでアルパカの面倒を見(jiàn)ないといけないし、臭いし汚れる。當(dāng)時(shí)、若者たちはそうした仕事を嫌がって都會(huì)で出稼ぎするのが一般的でした」。それが3年前頃から、現(xiàn)地のプロジェクトに若者の姿が増えたといいます。
「プロジェクトの現(xiàn)地リーダーたちから、『これからはこの子たちがリーダーになるから紹介しておく』と孫や甥などを紹介されました。若者たちに話を聞くと、『急に自分の親世代が楽しそうに仕事をしはじめて、収入も上がっている。それに日本で売ってるんでしょ、かっこいいじゃん』と言ってくれました。すごく嬉しかったですね」。
©ROBERT LAWRENCE
今まで"未來(lái)"を語(yǔ)らなかった人たちが、次世代や未來(lái)のことを考え、バトンを渡していくようになった。とても大きな変化でした。
先のことは正直わからない、未來(lái)より今に手一杯で余裕がない。そう考える人も少なくないでしょう。精力的に活動(dòng)し続ける井上さんにとっては、未來(lái)は明るいのでしょうか? 素樸な疑問(wèn)をぶつけました。
「これは因果の問(wèn)題で、明日何が起きるかを知りたかったら、今自分が起こしてる行動(dòng)に目を向けなければいけません。多くの人が知る通り、今は未來(lái)に黃信號(hào)が點(diǎn)っていますよね。未來(lái)がちゃんと存在するように、今の行動(dòng)を変えないといけない。大切なのは、未來(lái)に希望を持てるかどうかではなく、"今の自分の行動(dòng)に、自分自身が希望を持てるかどうか"です」。
未來(lái)を変えるためのSDGsの17の目標(biāo)のなかでも、井上さんたちが特に大切に考えているのは、「NO POVERTY / 貧困をなくそう」と「GENDER EQUALITY / ジェンダー平等を?qū)g現(xiàn)しよう」です。「まずは"人"の問(wèn)題を解決しないと、持続可能な世界は実現(xiàn)しないと思っているからです。私たちの周りにあるもの全てに"人"が介在しています。それを意識(shí)し、目の前にあるものや人に感謝することができれば、ものの買い方も使い方も変わるはず」。
ザ イノウエブラザーズはブランディングや商品を通したコミュニケーションで、人々にインスピレーションを與え続けてきました。これから、彼らが目指すものはなんでしょうか。
「一番サステナブルなのは、ものを作らない?買わないことです。今僕らがアルパカのニットウェアを買ってほしいのは、アルパカを育てている先住民の暮らしを思うからですが、商品を売らずに彼らの生活をより良くできるのなら、それが一番環(huán)境にも良い。ものを買ってもらわなくて良いビジネスモデルも考えています」。
常に誰(shuí)かの幸せのために。世界中の社會(huì)問(wèn)題や環(huán)境問(wèn)題が解決されるまで、きっと彼らは歩みを止めません。
1978年、デンマーク生まれ。コペンハーゲンで広告代理店のインターンから実踐的なグラフィックデザインを?qū)Wび、數(shù)年後にはアートディレクターに就任する。早くして亡くした父の、お金や名聲を優(yōu)先せずに自らの正義を貫く生き方を胸に、2004年に弟である清史さんとソーシャルデザインスタジオThe Inoue Brothers...(ザ イノウエブラザーズ)を結(jié)成。現(xiàn)在は沖縄に移住し、伝統(tǒng)工蕓である琉球藍(lán)染に著目したプロジェクトも手がけている。
大和ハウスグループも「生きる歓びを、分かち合える世界」の実現(xiàn)に向け、様々な取り組みを進(jìn)めていきます。
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