家電量販店などで手軽に手に入れることができる Google Home などのスマートスピーカー。
ただ話しかけるだけで電気やテレビ、エアコンなどの家電をコントロールしたり、
その日のニュースや音楽が聞けたり。少し前までは「あったらいいな、できたらいいな」と
思っていたことが、すでに現(xiàn)実のものになっています。
こうして、すでに私達の日常生活の中にも溶け込みつつあるIoTは、日常生活の課題をどう解決し、
変えていくのか、訪問者や家族とのコミュニケーションを観點に例を見てみましょう。
おじいちゃん?おばあちゃんを笑顔にするテクノロジー
離れて暮らすおじいちゃん?おばあちゃんの楽しみは孫に會うこと。小さな子どもは成長が早いものです。本當(dāng)は毎日でも會って成長を見屆けたいと願う祖父母に孫の寫真や映像を家のテレビに直接屆けてテレビで見られるようにするサービスが好評を得ています。テレビの大畫面で見ることで、まるで孫と一緒に暮らしているかのような體験が得られます。

このサービス、実は屆けた畫像を見たかどうかが送り主側(cè)でわかるので、おじいちゃん?おばあちゃんが元気にしているかどうかもわかるのです。現(xiàn)狀では送った寫真や映像の再生のみですが、これからは、映像の再生をするだけでなく、スマートスピーカーを使って実際に畫面の向こうにいる孫に話しかけて雙方向のコミュニケーションもできるようになるでしょう。
スマートロックから見る近未來
2つ目の課題として、共働きの世帯が増える今、宅配便の受取りがなかなかできずに困るケースも増えています。その解決策となる宅配ボックスは、便利な半面、設(shè)置には一定のスペースが必要になります。既存のマンションでは宅配ボックスを設(shè)置する場所の確保が難しかったり、たとえ設(shè)置できたとしても大型の荷物が入らないなどの制限がありました。車社會のアメリカでは、車のトランクを宅配ボックスの代わりにするサービスなどもありましたが、日本の特に都市部では車の普及率が低いこともあり、導(dǎo)入しにくいのが現(xiàn)狀です。
こうした問題を解決できるかもしれないサービスがアメリカの一部の地域で2017年11月から開始されました。Amazon が提供する Amazon Key と呼ばれるサービスです。専用のスマートロックと監(jiān)視カメラを購入して設(shè)置すると、留守宅であっても荷物の受取りができるようになります。配達員が荷物のバーコードをスキャンすると、留守宅であってもスマートロックが解錠されるので、ドアを開けて、家の中に屆け物を配置することができます。ドアの解錠と同時に、監(jiān)視カメラの録畫がスタートし、配達員の行動が監(jiān)視できるようになっているため、セキュリティにも配慮がされています。
こうしたスマートロックとセキュリティをベースとしたサービスに、複數(shù)の配送業(yè)者や各種サービス提供會社が対応するようになれば、留守中に配送したい荷物の集荷をお願いしたり、掃除などのハウスキーピングやペットの散歩などのケアサービスを受けることもできるようになります。加えて、家を貸出可能なスペースとして考えると、パーティーや會議、読書?勉強用のスペースとして時間貸しに応用すれば、留守宅が新たな収益を生むことになるかもしれません。
家族と過ごす時間を生み出す環(huán)境って?
3つ目の例として、各居室の環(huán)境の最適化にIoTを活用する方法があります。たとえば、子どもの勉強部屋の環(huán)境の改善です。高くなると生産性に影響が出る二酸化炭素は、目にも見えず匂いもしないので、人が感知することは難しいですが、IoTデバイスなら濃度を検知することができます。
溫度や濕度とともにセンシングして、不快指數(shù)が高まったり、二酸化炭素の室內(nèi)基準(zhǔn)値と言われる1000ppmを超えたら、換気を促すことができます。換気の後は気分転換にスマートアロマディフューザーを使ってお気に入りの香りを出すのも良いでしょう。効率よく勉強が進めば、家族と過ごす余暇を充実させることにつながります。

出典/八子知禮、杉山恒司、竹之下航洋、松浦真弓、土本寛子「IoTの基本?仕組み?重要事項が全部わかる教科書」 SBクリエイティブ、2017年
また、居室の環(huán)境を適切な狀態(tài)に保つことは、気溫への感受性が低くなった高齢者の部屋の環(huán)境を遠(yuǎn)隔地から見守ったり、留守宅でペットが快適に過ごせる狀態(tài)に保つことにもつながります。これらは、室溫や濕度などが基準(zhǔn)値を超えたとき、家電や空調(diào)をコントロールする仕組みを使えば、自動的に居心地のよい環(huán)境を作り出すこともできます。
IoTで家族に笑顔を!
小さな子どものいる家庭や、介護を必要とする家族がいるケースなどに配慮した働き方の見直しも進んでいます。企業(yè)側(cè)の取り組みとして、在宅勤務(wù)やサテライトオフィスでのリモートワークを?qū)g現(xiàn)する方法として、リモートワーク用のコミュニケーションツールも進化しています。これまでも、Web會議などでミーティングに參加することもできますが、時として、孤立感を感じたり、コミュニケーションが円滑に行えないと感じることもありました。

現(xiàn)在は、等身大の投影ができるデバイスも出てきていますので、オフィスにいるかのような一體感を生み出すこともできるようになっています。リモートワークでありがちな孤立感を減らし、同じ目的に向かって取り組むチームとしての一體感を生み出して生産性を高める手法としても有効です。
個が確立する現(xiàn)代、家族のあり方を考えながら、コミュニケーションツールを上手に使い、家族の絆を深めるIoTの使い方が問われる時代になっています。家族の笑顔を増やすきっかけにIoTが活躍したら素敵ですね。

株式會社ウフル IoTイノベーションセンター マネージャー
松浦真弓さん
株式會社マクニカにて、集積回路のアプリケーションエンジニアとして大手製造業(yè)の技術(shù)サポートを擔(dān)當(dāng)。その後、ラティス?テクノロジー株式會社にて、10年以上にわたり、 製造業(yè)を中心とした3D CAD関連ソフトウェアのマーケティング、 製品企畫、パートナー営業(yè)に従事し、同社の成長に貢獻。近年は、建築?建設(shè)業(yè)界の 3Dデータ活用を提案?導(dǎo)入支援するエバンジェリストとして活動した。業(yè)務(wù)と関連した活動として、iOS端末のエンタープライズ利用を促進する活動を展開する一般社団法人iOS コンソーシアムで、製造業(yè)でのタブレット活用を推進する製造ワーキンググループを発起人として設(shè)立し、約3年間、リーダーを務(wù)めた。2016年5月より現(xiàn)職。
※2017年12月現(xiàn)在の情報となります。