居住者の減少や高齢化が進(jìn)む住宅団地では、公共交通機(jī)関の運(yùn)行廃止や免許返納などにより遠(yuǎn)方への移動(dòng)が不便となっており、公民館や役所などの公共施設(shè)から離れて暮らす住民にとって十分な地域コミュニティが形成できていない恐れがあります。そのため、郊外型住宅団地では徒歩圏內(nèi)でのコミュニティ施設(shè)やリモート窓口の設(shè)置など、施設(shè)とサービスの両面から、地域住民が集えるコミュニティの仕組みが求められています。

　そこで、當(dāng)社は兵庫県三木市のコミュニティ施設(shè)において、仮想空間や遠(yuǎn)隔地とつながる空間拡張システムを用いた、コミュニティ活性化に関する実証実験を開始することとしました。

　実証実験では、デジタル映像と自然音で仮想空間を再現(xiàn)する「XR技術(shù)」(※２)を採用し、居心地の良い空間を演出することで、利用者數(shù)や発話量などへの影響を検証します。また、コミュニティ施設(shè)と遠(yuǎn)隔地を映像と音聲でリアルタイムに繋ぐことで、リモートによるコミュニケーションの快適性を確認(rèn)します。

　今後は実験結(jié)果をもとに、地域コミュニティの活性化に寄與するための、建築とデジタル技術(shù)を融合した空間拡張システムの開発を目指します。

※2．AR（拡張現(xiàn)実）、VR（仮想現(xiàn)実）、MR（複合現(xiàn)実）といった現(xiàn)実世界と仮想世界を融合する表現(xiàn)技術(shù)の総稱。

●実証実験開始の背景

　當(dāng)社は、1960年代から郊外型住宅団地「ネオポリス」を全國61カ所に開発してきました。その多くはまちびらきから40年以上が経過しており、住民の高齢化、人口減少、空き家?空き地の増加といった課題がみられます。當(dāng)社は、これらの課題を解決し、街の魅力を新たに創(chuàng)出する「リブネスタウンプロジェクト」を2015年に開始?，F(xiàn)在、8つのネオポリスで団地再耕事業(yè)として進(jìn)めています。

　その中でも、兵庫県三木市の「緑が丘ネオポリス」では、2015年8月にまちの活性化に向けて産官學(xué)民がそれぞれの強(qiáng)みを生かしながら戸建住宅団地の課題解決を検討する「郊外型住宅団地ライフスタイル研究會(huì)」が設(shè)立。當(dāng)社などが代表幹事企業(yè)を務(wù)める當(dāng)研究會(huì)では、一般社団法人「生涯活躍のまち推進(jìn)機(jī)構(gòu)（現(xiàn)：みらまち緑が丘?青山推進(jìn)機(jī)構(gòu)）」の設(shè)立や自動(dòng)運(yùn)転によるコミュニティ內(nèi)移動(dòng)サービスの実証実験、コミュニティ施設(shè)の設(shè)置などの取り組みを進(jìn)めてきました。

　2023年11月には、當(dāng)社と一般社団法人「みらまち緑が丘?青山推進(jìn)機(jī)構(gòu)」が「緑が丘ネオポリス」で実現(xiàn)したいみらいのまちについてのワークショップを開催。地域住民67名と意見交換した結(jié)果、日頃の困りごとの解決や新たな人間関係を構(gòu)築できる「コミュニティの場の創(chuàng)出」が求められることがわかりました。

　これまでコミュニティ施設(shè)では、イベントなどのきっかけがない場合には利用者は限られてしまうため、定常的に多世代が集って交流する仕組みを必要としていました。そこで、當(dāng)社はコミュニティ施設(shè)において空間拡張システムによる郊外型住宅団地のコミュニテ?；钚曰丐蝿抗驐试^することにしました。

　本実証実験での結(jié)果をもとに、コミュニティ施設(shè)の利用頻度向上につながる空間拡張システムを開発し、行政サービスの告知や企業(yè)による商品販売の仲介などに繋げていきます。

【空間拡張システム】

１．仮想空間の體験や遠(yuǎn)隔地との空間共有などを?qū)g現(xiàn)する空間拡張システムの実証実験

　実証実験では、兵庫県三木市のコミュニティ施設(shè)を利用して、子どもから高齢者まで、多世代の住民に仮想空間の體験や遠(yuǎn)隔地との空間共有によるコミュニケーション機(jī)會(huì)を提供します。

　仮想空間とつながる體験では、居合わせた住民同士の交流を活性化させるため、映像と自然音で居心地の良い空間を演出します。古都風(fēng)景や古民家の室內(nèi)など日常に溶け込む4種類のデジタル映像をプロジェクターで映すとともに、リラックス効果のある雨音や囲爐裏で薪をくべる音などを複數(shù)のスピーカーをもちいて立體音響として流します。

　遠(yuǎn)隔地との空間共有では、遠(yuǎn)隔地とのコミュニケーションを活性化するため、道の駅やほかの地域のコミュニティ施設(shè)とつなぎます。遠(yuǎn)隔地側(cè)の表情や身振り、聲などを共有するために、複數(shù)のスピーカーやプロジェクター、ビデオ會(huì)議システムを使用して、実寸大の映像や環(huán)境音などを伝えます。2024年4月17日から2024年4月24日は、「食に関する遠(yuǎn)隔地の魅力」をテーマにして、コミュニティ施設(shè)と「道の駅かなん」（大阪府南河內(nèi)郡河南町）をつなげ、2024年5月以降は、住民の要望に応じた場所やテーマを設(shè)定していきます。

２．利用者の様子を捉えるセンシング手法による評(píng)価と分析

　実証実験では、各種センサー技術(shù)を?qū)毪工毪长趣?、仮想空間の體験や遠(yuǎn)隔地との映像?環(huán)境音の共有が利用者に與える影響を分析します。発話モニタリング用のマイクやカメラ、表情分析センサー、溫濕度?CO₂濃度センサーなどを設(shè)置することで、來場者へのアンケート評(píng)価と各種センシングデータとの相関関係を検証します。

　また、仮想空間の體験や遠(yuǎn)隔地との空間共有をするときとしないときの來場者の滯在時(shí)間、居場所の選択、世代間交流の発生狀況などの傾向を確認(rèn)します。

　空間內(nèi)の様子を捉えたセンシング結(jié)果をデータベースとして蓄積?分析することで、將來的に地域コミュニティの活性化に寄與する空間拡張システムの開発を目指していきます。

■実証実験の概要