霧島市福山町の國道沿いから少し入ったところに立派な石垣と門構(gòu)えが見えてきます。ここは、県の文化財(cái)にも指定されている「舊田中家別邸」です。大正11年に建てられた別邸は、海運(yùn)業(yè)などで財(cái)をなし私立福山中學(xué)校を故里に創(chuàng)立した、故田中省三氏が建造したものです。
田中省三は、幕末に福山の地に生まれた一代の風(fēng)雲(yún)児でした。西南戦爭にも従軍した省三は明治の中頃、関西に出て海運(yùn)業(yè)を起し関西実業(yè)界の重鎮(zhèn)となり、衆(zhòng)議院議員もつとめました。
大正7年、私財(cái)を投じて私立福山中學(xué)校を設(shè)立。同校は秀才を育てることで知られ九州一円から生徒が集まる全寮制の名門校となりました。戦後は県立に移管されましたが、生徒減少もあり牧ノ原高校へ吸収される形となり、現(xiàn)在の校舎跡は自動車部品の工場になっています。
その田中が學(xué)校の脇に別荘として建てたのがこの館「舊田中家別邸」です。建設(shè)にあたり資材、技師、職人まで全て阪神方面から集められて造られました。大正8年に起工して4年の歳月をかけて建てた和洋折衷の格調(diào)高い館です。
內(nèi)部は舊福山中學(xué)の歴史をたどる展示室や、迎賓館を思わせる洋間があり、細(xì)部にわたって裝飾や技巧が施してあります。また、別邸とともに日本庭園も造られ、市指定文化財(cái)となっています。




敷地1,100坪、建坪100坪の日本家屋ですが、シャンデリアや大理石をあしらったマントルピースの洋間もあり大正のモダンを感じさせます。
田中には子どもがなく跡つぎがないこともあって昭和28年、舊福山町が買い取り現(xiàn)在は憩の家として開放されています。
狹い露地の一面にこんな空間があろうとは…。福山町は小さな海沿いの町ですが、この地には時代ごとに強(qiáng)烈な個性をもった人物が現(xiàn)われていました。
舊田中家別邸
霧島市福山町2926
電話0995-55-3147
■交通アクセス 霧島 高千穂リゾートより約20㎞(車で約30分)
■上記の寫真はすべて平成25年2月に撮影されたものです。