
摩天樓の光景が、佃のステキ!
かつてアメリカの田舎で育った青年たちは、まず、ハドソン川越しにニューヨークの摩天樓を見て、大都會での成功を心に誓ったという。アメリカの巧妙な小説家も、幼い日にハドソン川をニューヨークへと渡る船上で見た摩天樓を自らの憧れの象徴としてエッセーの冒頭に記している。
隅田川に架かる中央大橋を渡りながら、初めて目の前に広がる摩天樓を見たとき、その小説家が覚えたであろう感情と同じものが私にも湧き上がるのを感じた。
大きく胸を張るように、誇り高く空へとそびえ立つ摩天樓。その建築の美しさに魅了されながら橋を進むと、やがて気持ちよく整備された街並みが見えてくる。とおりを歩く人々の足取りは軽快で、幸せそうな笑顔を浮かべている。通り沿いのガラス張りで洗禮されたピッツェリアや風変わりなフォルムが印象的なオブジェなどの意匠が目を惹く。
この都會的な建築デザインや街並デザインを見ていると、「こんな街に暮らしてみたい」という気持ちが湧き上がってくる。やはり都會的な佇まいこそが、佃エリアのステキの代表格と斷言していいのではないだろうか。
(掲載の情報は2015年9月時點のものです。)